こんな飲み方いかが?

にごり酒
皆さんはにごり酒をどうやって召し上がっていますか?恐らく大半の方はすぐに撹拌してオリをからませて飲んでしまうだけでしょう。そこでにごり酒をとことん楽しめるとっておきの方法をお教えしましょう。
まず,撹拌して全体の味を確認し,ひと晩だけ置いて下さい。そして翌日またオリと上澄みに分かれますよね。そしたら今度は上澄みから飲んでみましょう。オリがからんでいない分酸が穏やかです。そして軽く撹拌し,うすにごりの状態で飲んでみて下さい。粕の甘さとオリの酸が出てきて上澄みとは全く別の味わいになるはずです。何日か上澄みとオリがらみを楽しんだら最後に残ったドロドロのオリだけをいただくのです。アダルトな大人の甘酒といった雰囲気でしょう?これだけで三者三様の異なった味が楽しめるし,それぞれを燗してみるとま〜た全然変わってしまうんですよ,これが。つまり,一本のにごり酒で六通りの味が堪能できるのです。マニアックな飲み方と言われればそれまでですが,皆さんがお金をだして買われるのですから,存分ににごり酒の醍醐味を楽しんじゃおうじゃないですか!ここで,皆さんだけにこっそりとポイントをお教えします。にごり酒はどこの酒屋でもそうポンポンと出るものではありません。ウチを含め半年以上ストックした商品を置いてある店が結構あるはずです。管理のしっかりとした酒屋なら新酒よりむしろこちらの方がおすすめです。私の経験上ですが,多少日を置いてまろやかになった方が燗上がりするようです。

吟醸酒とペリエ
宮城の一の蔵さんの“すず音”(スミマセン。当店は扱いがございません。)をはじめとする発泡性を持ったお酒。いわゆる“活性酒”なるものが最近清酒ファンの間でプチブームになっているようです。ほとんどが,一度出来上がった清酒に再度酵母を入れ二次発酵させて炭酸ガスを発生させ,発泡性を持たせています。ですから,同じようにしようと普通の清酒に炭酸水を入れてもただ薄くなるだけで,特に吟醸酒などの繊細なお酒になると独特の苦味を感じる事もあります。しかしながら真夏の熱帯夜など体が少々疲れている時など,“ちょっと遊んじゃおうかな。”なんて遊び心を持たれる方も多いはず。“そんなの邪道だ!”と怒られる方もいらっしゃると思いますが,実は私も時折そんな飲み方をする一人です。ただ,この時大手メーカーの安いタンサンでなく,フランスの自然発泡水“ペリエ”を使うと非常に趣のある味わいになるのですよ。気泡が細かく,割っても不思議と薄くならないので,旨味を損なうことなく爽やかな喉越しを楽しむことができます。私のおすすめは焼酎なら黒糖,清酒ならドロドロのにごりといったところでしょうか。そうそう,南部美人の全麹仕込をタンサンで割るとこれまたたまらんですよ。ぜひ,お試しあれ!

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