すでに御存知の方も多いかと思いますが,お湯割りをつくる時はお湯を先に入れた方が良いとされています。これは温かいものは上に移動していこうとする対流の原理が働いて,撹拌しなくとも自然と良い頃合でやんわりと混ざり合ってくれるからなのです。“マドラーで撹拌すりゃ同じことじゃん。”とおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが,40度前後の原酒を25度に割水し,せっかく味のなじんだ商品をさらに割水するのですから,そこであまりガシャガシャやってしまうと香味を損なって独特の苦味や渋味が出てくるようです。私も何度か試してみましたが,生とはかなり印象が異なってしまいました。また,それとは別に地元では目上の人と酒を酌み交わす時にその方の容器に焼酎を注ぎ足す時の作法としてお湯を先に入れるという習わしがあるともうかがったことがあります。そしてさらにこだわるのであれば,御自分のお好みの比率であらかじめ割水して,2・3日たったものをお銚子に入れ,(地元には黒じょかや白じょかという専用の容器がありますが…。)湯煎であたためてやるとその場で割ったものよりはるかにまろやかな旨さが引き立ちます。少々面倒に思われる方もいらっしゃるかと思いますが,百分は一見にしかず。ぜひ,お試し下さい。 |